激しい雷雨の日に、僕が「守ること」を学んだ話 ~職場が水没しかけた日と、いま関東で起きていること~

備えと暮らし

What a Sudden Downpour Taught Me About Protection — A Workplace Near Miss and Today’s Weather Warnings

【目的文/Purpose】

この記事では、職場で体験した激しい雷雨による浸水と、その判断・教訓をもとに、防災への気づきや備えの大切さを綴っています。

This article shares my personal experience of a workplace flood caused by heavy rain, and the lessons I learned about preparation and protection.

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【冒頭文/Introduction】

突然の雷雨。たった10分のあいだに、僕の職場は“災害現場”になった。

この記事では、過去に僕が体験した「激しい雷雨による浸水」と、 その中で下した判断、そして今もなお全国各地で繰り返される “同じような風景”について綴っています。

自然災害は、いつでも、誰にでも、すぐそばで起こりうる。 そのとき、僕たちにできることは何なのか―― そんな問いを、あなたと一緒に考えられたらと思います。

A sudden thunderstorm. In just 10 minutes, my workplace turned into a disaster zone.

In this post, I share my experience of dealing with intense flooding caused by heavy rain, the choices I had to make on the spot, and how similar situations continue to unfold across Japan.

Natural disasters can happen anywhere, to anyone, at any time.
What can we really do when it happens to us?
Through this story, I hope you’ll reflect on that question with me.

あの日、窓から“レーザービーム”が飛んできた

たまたま他の作業から帰ってきたところだった。 雨が降っているのはわかっていたけど、まさかここまでひどくなるとは思っていなかった。

たった10分か20分の間に、すべてが起こった。 ほんの少し目を離しただけで、現場はまるで別世界のようになっていた。

窓の隙間から、まるでレーザービームのように勢いよく水が飛び出してきた。 その光景は、今でもはっきり思い出せる。

「えっ?」としか言えなかった。 頭が追いつかない。 なにかの特撮映画のワンシーンだったらよかったのに、と思った。 でもこれは現実で、しかも僕の足元に向かって飛び込んできていた。

I had just returned from another task when I saw it. The rain had started, sure—but in just 10 or 20 minutes, everything changed. Water shot through the window like a laser beam. For a moment, my brain couldn’t process it. “Is this a scene from a disaster movie?” I thought. But it was all too real—and it was headed straight toward my feet.


「マジで帰りたかった」でも僕は責任者だった

状況は急変。僕の足首のくるぶしを越えるほどの水が床に溜まっていく。 マジで帰りたかった。でも僕は現場の責任者だった。 心が、キュッと凍った気がした。

そのとき思った。 「自然災害って、人ごとちゃうんやな…」

いつもニュースで見ていた、東日本大震災や能登半島地震の被害。 あれは遠いどこかの話じゃなかった。

きっと、あの日の被災者の方たちも、最初はそう思っていたんやと思う。 「まさか、自分のところでこんなことが起きるなんて」って。

ほんまに、突然やった。

The water quickly covered my ankles. I wanted to run, to go home, to escape it all. But I was in charge. I couldn’t leave. In that moment, I realized: disasters aren’t someone else’s problem. They come without warning—and suddenly, you’re in it. Like those who faced earthquakes and floods before me, I had no time to process, only act.


電源をすべて落とす、数秒の判断

その部屋には高価な装置がいくつもあった。 「全部ダメになるかもしれない」と思った瞬間、迷いなくすべての電源を落とした。 あれが、僕にできる最大の“守る”行動だった。

あの判断が正しかったのか、今でもわからない。 でも、あの瞬間に何かを決断しなければ、もっと取り返しのつかない結果になっていたかもしれない。

冷静なふりをしていたけど、内心は震えていたと思う。 機械の「命」と、目の前の現実を守るために、自分なりの最善を尽くした。

I didn’t hesitate. I shut down every power source, every machine. It felt like the only thing I could do to protect them. I didn’t know if it would work—but I knew doing nothing would be worse. Sometimes, responsibility means making a decision, even while your hands shake.


装置は1週間使えず。「僕のせいじゃないのに」

その後、同僚たちに助けられて排水作業をし、被害は最小限に。 それでも装置は1週間使用できなかった。 「僕のせいじゃないのに」と思った。でもこれが自然災害なんやと、胸に刻んだ。

もし、あのとき最初から窓に柵が設置されていたら──。 水は室内に入り込まず、装置はそのまま稼働できていたかもしれない。 たまたま完全に壊れなかったのは運が良かっただけで、実際には稼働停止による損失は大きかったと思う。

もちろん、会社に「ものすごくお金をかけろ」とは思わない。 でも、ほんの少しの手間と費用で、もっと守れたかもしれない。 そう思うと、あのときの悔しさがよみがえる。

そしてそれは、装置だけじゃなくて、命にも言えることやと思う。 大げさかもしれへんけど、「備え」ってそういうことやろうなって。

We worked hard to drain the water, and luckily, the machines weren’t totally destroyed. But they sat useless for a week. I kept thinking, “It wasn’t my fault.” Still, it hurt. If only we’d had a barrier—just a simple one—maybe nothing would’ve happened. A little prevention can save a lot. Sometimes, it can even save lives.


その後、職場に“堤防”ができた

あの体験をきっかけに、道路から水が入り込みやすい窓には外に堤防のような柵が作られた。 今なら、もうあんなふうに水が入り込むことはないかもしれない。

その柵は、見た目は地味かもしれない。でも、あれがあれば装置は止まらなかったかもしれないし、焦りも悔しさも少なかったと思う。

それに、職場の雰囲気も少し変わった気がした。 でも、どこか「いつもこうやって、被害が出てから備えてる気がするな…」という後ろめたさもあった。 いつも後手後手。日本全体がそんな空気をまとっているようにも感じた。 それでも、やらないよりはマシやと思う。 “次は守る”という行動につながるなら、意味はあるはずや。

あの日の出来事が、小さな変化を生んだ。 そしてその“変化”は、次の被害をきっと防いでくれるはず。

After the incident, the company installed a barrier outside the window. It was a small change, but an important one. Sometimes, change only comes after something goes wrong. But at least we changed. And next time, we’ll be ready.


そして今、関東の空でも雷雨が話題に

2025年5月27日現在、関東では激しい雷雨が再び話題になっている。 横殴りの雨、駅の雨漏り、道路の冠水。 僕の経験と、まるで重なるようなニュースが今日も流れている。

でも、なんでこんなに話題になっているんやろう? 日本って“災害大国”やのに、雷雨くらいでこんなに騒ぐの?──そんな声もあるかもしれない。

でも、それが逆に怖いんや。 慣れてるようで、毎回「まさか」「こんなに急に?」ってなる。

ニュースで流れる映像は、びしょ濡れになった駅の階段や、水があふれた道路、遅れる交通機関。 「いつもの風景」に見えてしまうけど、実際にそこにおった人は、きっと不安でいっぱいやったと思う。

たぶん僕があの日、心の中で凍りついたように──。

雷雨が話題になるのは、「また起きたか」じゃなくて、「自分もそうなるかも」のサイン。 そしてそれは、「備えろ」という静かな警告なのかもしれない。

Today, heavy rain is trending in the news again. We live in a country where disasters happen often—yet each time, people act surprised. Maybe that’s the danger: we get used to it. But every soaked station, flooded street, and delayed train reminds us—we’re never really ready. Let today’s headlines be a quiet warning: prepare.


備えは、過去の誰かの経験から始まっている

備えることって、正直面倒くさい。 でもあのときの数秒の判断が、少しでも装置を守れたことを思い出すと、やっぱり必要やと思う。

未来の“誰か”が守られるために、今日もどこかで誰かが備えてるんやなって。

防災って、正直めんどくさい。僕自身もそう思うし、会社も「お金にならないこと」にはあまりお金を出したくないというのも、わかる気がする。

でも、災害は突然やってくる。 そのときに、備えがあるかないかで、被害の大きさはまるで違う。

最低限の備えは、たとえ直接利益につながらなくても、やっぱり必要やと思う。 命や大切なものを守るために。

Preparation isn’t glamorous. It doesn’t make money. Companies often don’t want to invest in it. But when disaster hits, what you prepared yesterday could save something—or someone—today. That’s the quiet truth behind every emergency plan, every extra sandbag, every decision to act: someone once lived through it.


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