癒しと散策/Healing & Walks

妻に動物園を却下され、箱根美術館に行ったら庭師に感動した

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こんにちは、ヒロシです。

「どこか行こう」と思い立った平日休み、ありませんか。

今日は僕が「動物園に行こう」と提案したところ、妻に秒で却下された。
で、向かったのが箱根美術館。

正直、気乗りしなかった。
でも行ったら、土器でもなく庭でもなく「人」に感動することになった。

こんな人に読んでほしい

  • 箱根には何度も行ったけど美術館はスルーしてきた人
  • 夫婦で「いつもと違う箱根」を探している人
  • 美術より「人の営み」に興味がある人

結論(先に言っておく)

きれいな場所には、必ず誰かの地道な手仕事がある。

動物園を却下されて、まさかの箱根美術館へ

名勝 箱根美術館 神仙郷 入口サイン

箱根には何度か行ったことがあるけど、美術館は毎回スルーしてきた。

「静かすぎて眠くなりそう」というのが正直な先入観だった。

でも今日は妻のひと声で連れてこられた。

まず実用情報をまとめておく。

場所神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300
アクセス箱根登山ケーブルカー「公園上駅」から徒歩1分
入館料一般 1,430円(箱根フリーパス提示で割引あり)
開館時間9:30〜16:30(12〜3月は16:00まで)
定休日毎週木曜(11月は無休)

Googleマップで場所を確認する

ちなみに、ネット事前購入(e-tix)だと当日券より安くなるのでオススメ。

そして、これを読んでいる人にとって大事な情報がひとつ

箱根美術館は2026年5月7日から大規模リニューアル工事のため、10月29日まで休館に入る予定。

今行けるのは2026年4月中まで、ということになる。

気になっている人には今がラストチャンスやと思う。

明治・大正のにおいがするレトロな空間

箱根美術館 レトロな和風建物
箱根美術館 神仙郷 岩と庭園

入ってみてまず驚いたのが、建物の雰囲気。

石畳、竹の柵、木造の建物。
なんていうか、昔の裕福な人が使っていた別荘みたいな世界観。

明治か大正を思い出すような、いい意味でのレトロ感がある。

「昔の金持ちが住んでたんかな」と思いながら歩いた。

この美術館は1952年(昭和27年)開館で、箱根最古の私立美術館らしい。
創設者の岡田茂吉が自ら設計し、中国風の青い屋根瓦が特徴的やとのこと。

庭園「神仙郷」は広さ約1万坪。
2021年に国の名勝に指定されている。

岩と建物と赤いツツジが重なって、なんとも言えない景色が広がっていた。

土器やお皿は、正直ピンとこなかった

箱根美術館 大甕4個と窓から見える山の景色

展示室には古い土器やお皿が並んでいた。

縄文時代から江戸時代まで、日本の陶磁器の歴史を追う構成になっている。

大きな甕(おおがめ)が窓際に4個並んでいて、その向こうに山の緑が見えた。
この「借景」がまたよかった。

ただ正直に言うと、僕はここにはあまり興味を持てなかった。

「ふーん、古い壺やな」という感じで通り過ぎてしまった。

一緒に来た妻は熱心に見ていたので、陶磁器が好きな人にとっては宝の山やと思う。

え、箱根にも大文字焼きがあるの?

明星ヶ岳 大文字焼きの山

2階のロビーから外を眺めていると、妻が「あそこ、大文字焼きの山やって」と言う。

よく見たら、確かに山の斜面に「大」の字の形に木が切れている部分があった。

大文字焼きというと京都だとずっと思っていたから、ちょっと驚いた。
「箱根でもやるんやな」と。

あの山は「明星ヶ岳」(標高924m)。
毎年8月16日、お盆の送り火として「大文字焼」が行われていて、大正10年から100年以上続く行事らしい。

「大」の字の「一」の長さが108メートルというから、なかなかの規模やと思う。

苔の上でしゃがんでいた人たちに、心を打たれた

苔庭で雑草抜きをするスタッフ

庭園を歩いていると、きれいな苔の広場があった。

その苔の上に、数人のスタッフが低い姿勢で黙々と何かをしていた。

「何してるんですか?」と聞いたら、「雑草を抜いてるんです」と教えてくれた。
「庭が広いから大変なんですよ」と、静かに笑っていた。

苔庭のクローズアップ

この苔庭には約130種類の苔があるらしい。

種類によって好む湿度や光が違うため、機械除草も農薬も使えない。
雑草と苔の芽を見分けながら、指先で一本一本抜いていく。

それが創設者・岡田茂吉が提唱した「自然農法」という思想を、今も守り続けているから。

放置すれば数週間で元の野山に戻ってしまう。
それを防ぐために、毎日地道に草を抜き、落ち葉を拾い、苔の状態を確認している。

「終わりのない仕事やな」と思いながら、頭が下がった。

人の手が受け継ぐ美しさ

苔庭に根を張る大木。箱根美術館の庭園で70年以上手入れが続く

庭を歩き終えて、ひとつのことを考えていた。

美しいものには、必ず誰かの地道な手仕事がある。

僕は土器やお皿にはピンとこなかったけど、この庭を毎日手入れしている人たちには感激した。

建物も庭も、誰かが手をかけ続けなければあっという間に廃れる。

家だって同じやと思う。
人が住まなくなった家は、すぐに廃墟になる。

それをずっと続けてきた人たちがいて、この美術館は70年以上ここに建ち続けている。

自分がいなくなっても、このレトロな感じの建物は未来に引き継がれていくんやろうと、なんとなく感慨深く思った。

今日も、爽やかな風が吹いていた。

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まとめ

箱根美術館2階の窓から箱根の山々を眺める。爽やかな青空と緑の山

妻に動物園を却下されて向かった箱根美術館。

土器には正直ピンとこなかったし、大文字焼きがあることも知らなかった。

でも苔庭でしゃがんで黙々と草を抜く人たちの姿が、一番印象に残っている。

完成品の美しさより、それを維持する人の営みに動かされることが最近多くなってきた気がする。

50代に入ってからかなぁ、こういうのが染みるようになったのは。

箱根美術館は2026年5月7日から休館に入ります。
4月中に行っておくのも、ええかもしれんね。

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